
これまでにない、評価手法が生まれた
訪日外国人観光客数が前年を上回り、過去最高を更新。
空港では、近い将来に発着便の増加による滑走路の容量不足が懸念され、その増設が積極的に検討されていた。
しかし、誰もがさらなるインバウンドの拡大に期待していたところへ、COVID-19が忍び寄った。

社会システム事業部
次世代モビリティチーム
事業リーダー
2012年入社
工学研究科 建築社会基盤系専攻 修了
学生時代は、力学系が中心の土木工学の中でも計画系を専攻し、交通計画や都市計画に関わる研究室で学ぶ。音楽が好きだが、「最近HDDが壊れて、お気に入りの数千曲のデータをロストした」とか。嘆きながらも明るい表情が印象的。

社会システム事業部
次世代モビリティチーム
2017年入社
海洋科学技術研究科 海運ロジスティクス専攻 修了
休日があれば、全国どこへでも旅に出る。入社以来、全都道府県・東西南北端を踏破し、現在は全市区町村制覇を目指している。需要予測に関するアカデミックな素養を磨くべく、会社の制度を利用して働きながら社会人大学院に通い、昨年修士号を取得。
01
業務の概要
拡大するインバウンドに合わせた、滑走路の増設計画は妥当か
公共事業では、その建設工事が本当に公共性や採算性、社会的意義などがある事業なのかを評価しなければならない。建設前の「計画段階評価」と「新規採択時評価」、建設中の「再評価」、そして開業後の「事後評価」という4つのタイミングでのチェックが定められている。とりわけ交通に関する公共事業の整備効果を評価するためには、交通需要予測が必要になっている。
MRIグループでは、航空・鉄道・バス・船舶・自動車といったあらゆる交通機関を網羅した需要予測に関わってきた。特定の交通機関に限定しない理由は、それぞれが移動する人々の"獲得競争"をしており、互いに影響し合っているからだ。その上で、相当な数の事業評価にも携わり、独自の実績やノウハウを築いている。今回はこの中で、ある空港の滑走路増設事業における『再評価』について聞いてみた。
『再評価』業務の目的は。
「この空港もアジアからのインバウンドが急増したことで国際線の発着が活発になり、もともと国内線も多く飛んでいる空港でしたので、容量の少ない滑走路で何とか国内線と国際線をやりくりしている状態でした」
なぜMRAが携わることになったのか。


02
業務の進行・苦労
突然のパンデミック、経験が活かせない、かつてない状況
しかし、そのような過去の経験が通用しない事態が発生する。新型コロナウイルスCOVID-19によるパンデミックだ。渡航や入国が厳しく制限され、訪日外国人の数も激減したことは周知の事実であり、これによって事業評価の現場も一変することとなった。
そもそもCOVID-19が発生する前は、どのような状況だったのか。
具体的には、どのようなシナリオや予測を立てたのか。
柔軟なシナリオづくりには、多様な着眼点、そして専門的な知識が必要だと思うが。
この再評価業務は、無事に完了したのか。苦労も多かったのでは。


03
成果と展望
数年後、真の評価を受けるときを、いまから楽しみに
以前に比べれば落ち着きを見せてきたCOVID-19の感染拡大。それは終焉するのか、するとしてもいつになるのか、誰にも確かなことは言えない。しかし今回の「再評価」が、滑走路の増設工事が完了して供用開始後に「事後評価」によって再び評価される立場に置かれる日がやってくるのは確かだ。
今回はこれを、MRA単独で遂行したのか。プロジェクトを終えて個人の思いは。
「このプロジェクトはあと数年で成果が分かりますが、やはり自分が携わった事業が実際に世に形を成した瞬間を楽しみにしています。その時は本当に感慨深いでしょう。あの時、努力してよかったなと。そんなシーンを心待ちにしています。ちゃんと、たくさんの方々が利用してくだされば良いのですが(笑)」


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