
求める人財像
リサーチアソシエイツ
株式会社(略称MRA)
Honryo
「自ら、自分の価値を高めていける人」を求む
働く環境の充実と社員の能力開発に尽力している本領人事部長に、
MRAの人財観や求める資質を聞いてみました。
01
百貨店からシンクタンクへ
大学の法学部を卒業後、大手百貨店に勤めました。1980年代後半のバブル期のことです。勤めた百貨店は当時、飛ぶ鳥を落とす勢いがあり、全国に店舗を次々と開店し、「総合生活産業」と銘打って美術館を作ったり、外資系のホテルをグループに加えたり、話題性も抜群でした。ファッションに興味があり、「おいしい生活」が送れそうだと期待して入社を決意したわけですが、配属は思いもしなかった本社の人事部に。途方に暮れたことを思い出します。今思えば、法学部出身だったことが大きな理由だったのでしょう。
失望からのスタートでしたが、素晴らしい上司や先輩に恵まれ、「人事」という仕事の面白さに気づかされました。ところが、90年代に入ると、百貨店業界には早々にバブル経済崩壊のきざしが現れ、おりしもMRIが人事担当者を募集しているのを目にした私はシンクタンクへの転職を決意しました。入社5年目の春のことです。「人」こそが唯一の経営資源であるシンクタンクであれば、一層やりがいがありそうだと感じたからです。
02
自分のキャリアを見つめ直し、
社会人大学院に
社会人大学院に
MRIに入社後、学生時代から付き合っていた家内と結婚したのですが、ほどなく、外資系の金融機関に勤めていた妻が、海外に赴任することになりました。独りの時間が増えた私は、「さあ、自分はどうしようかな?」と考えた末、自分に足りない経営分野の知識を得るために、社会人大学院に入学することにしました。2年間、平日の夜と毎週土曜日は、東京・文京区にあるキャンパスに通い、経営学を中心に、コンピュータサイエンスやシステム工学の授業を受けました。修士論文のテーマは『問題解決型企業における知識創造に関する研究』です。仕事と勉強の両立は忙しくて大変でしたが、私にとって自己のキャリアプランを意識する良い機会になりましたね。


03
MRIからMRAに
2017年4月に当社エム・アール・アイ リサーチアソシエイツ(以下、略称MRA)の人事部長として着任しました。第一印象は「タイプは異なれどMRAの社員はMRIに劣らず優秀だ」ということでした。もちろんMRAは、MRIに比べて若手が多いため、プロジェクト全体をマネジメントした経験が少なく、リーダーを務める中堅層が薄いという課題はあります。しかし、その分、「できる者には、若いうちからやらせよう」という意識は強いですね。近年、MRIも若手の抜擢に意欲的なのですが、MRAでは、それがよりドラスチックに行われていると感じます。

04
尖ったシンクタンクとして自立の道を
三菱総研グループでは、MRIは今後、民間企業や官民の境界領域のプロジェクトを積極的に攻めていき、これまで主にMRIが手がけていた政府の政策立案を支援する業務やそれらに付随するリサーチ業務は、MRAに徐々に移していこうとしています。さらに近年、MRAでは「プライム案件(MRIを介さず顧客から直接受託する案件)」の比率拡大にも力を入れています。
今でも技術面では幅広い人財がそろっています。私たちは、専門技術の高さが売りの「尖ったシンクタンク」を標榜・志向しているため、高度な専門性や技術力の看板を下ろすわけにはいきません。今後はそれに加えて、お客様のニーズを的確に汲み取り、課題解決に向けてプロジェクトをリードしていく力が求められることになります。
今、強く意識しているのは「社員と会社のエンゲージメント」で、これを強化していきたいと考えています。エンゲージメントとは、単なる従業員満足度とは異なり、「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係」のことを指します。他社に対して継続的に優位性を確保するには、社員一人ひとりが「自社に貢献し、自分も成長していこう」というマインドを持つことこそが、キーになってくると思います。
そういう意味では、社員が保守化するのは、何としても避けたいですね。そのための施策の一つとして、今期から、若手を計画的に他の部署のプロジェクトに参加させる仕組みを導入することにしました。人事異動となるとハードルが高いですが、シンクタンクの場合は、プロジェクト単位で仕事をしますから、複数アサインされるプロジェクトの内、一つくらい他部署と組んでみるのも良い経験になります。社内ネットワークが広がることで視野も広がり、シンクタンクとしての総合力も発揮しやすくなるのではないかと期待しています。

05
活躍が期待される人財とは
いろいろな角度やレベルの答えがあり得ると思いますが、私の回答は「信頼される人」です。シンクタンクの仕事はチームプレーが基本であり、自分一人でできることにはおのずと限界があります。つまり、大事をなすためには、上司やチームメンバー、ひいてはお客様も含めた周囲の「信頼を得る」ことが不可欠だということです。
では、もう一段掘り下げてみます。そうなれるのはどんな人でしょうか。私は「明るいビジョンを持っている人」「逃げない人」、そして「しなやかな人」だと考えます。
「明るいビジョン」には、社会をどのように良くしていきたいのか、自分なりのイメージがあるという意味と、多少旗色が悪くても「最終的には成し遂げられる」と確信できる前向きさの2つの意味を込めています。仕事は、いつも順風満帆とはいかないものですが、実現したいビジョンがあり、それができると信じられれば、難局から逃げずに立ち向かえると思います。「しなやか」とは、「簡単には心が折れない」「失敗してもへこたれず、再チャレンジできる」という意味です。
成功体験を積み重ねることで、自信がついていきます。自信、すなわち自分を信じることですよね。自分を信頼できない人のことは、周りも信頼しません。逆もまた然りです。
一方、このような「信頼される人」は、時に頑張りすぎてしまう一面もあるので、人事として注意深く目配りをしています。例えば、繁忙期には毎週、幹部全員が出席する経営会議で、社員一人ひとりの勤務状況を確認し、過重負荷になっている場合には改善を求めています。ここまできめ細かくフォローできるのは、全員が1フロアで仕事をしており、顔と名前が一致する規模のMRAだからです。

06
自ら、自分の価値を高めていける人に
人財育成の仕組みを整備することが、私の重要な使命の一つです。当社の人財育成の仕組みは手厚く、MRIとも連携することで、様々な成長機会を提供しています。労働時間の5%を自己投資に充てる「未来共創時間」の導入、専門学校通学や社会人大学院進学を含む自己啓発支援制度、学会活動の奨励、MRIとの人財交流や官公庁への派遣など、積極的な人財育成投資を行っています。
一方、どんなに素晴らしい仕組みを作っても、それだけで社員の成長が約束されるものではありません。社員一人ひとりが、自らのキャリアビジョンをしっかりと持ち、自分の価値を高めていくのだという強い意思を持つことが何よりも大切です。実際、伸びていく社員は、上司に言われるから仕事をしているわけでも、会社が補助してくれるから勉強しているわけでもないように感じます。自ら、自分の価値を高めていける人になってください。私も人事部長として、そんな皆さんを全力でサポートしていきたいと考えています。

